12月6日 大名町教会公演
お御堂を使わせていただいての練習が直前に出来ず、大変でしたね。でも、その条件の上で使わせていただいたのですから仕方ないことでした。
お御堂を使わせて頂くのはこれが最後になるかも知れない訳で、今後はどうなるか分かりませんが、すべては主の御心の儘にーーーーー。
今回は恐らくいろんな行き違いもあり、カトリック界の応援をあまり得られなかったことで、お客が200名足らずで、いまいち少なかったことも残念でした。オペラプラザ福岡のみんなは頑張ってくれたと思いますがーーーーー。
照明は、休会?している楢原君と、その友人の野良君が精一杯のことをしてくれましたが、お昼からの公演で外部の灯りが入るため照明効果が上げられず、残念でもありました。
思い出すままですが、鈴木忠一神父様にローマ教皇の役をしていただいたことはよかったですね。打上の席でも、皆さんとも親しく交流していただき、私たちの活動に更に深いご理解を頂けるようになりました。マルセル・コース神父様も打上にお呼びすればよかったですね。
前回申し上げたとおり、カトリック界の皆様と理解を深めることはいろいろなハードルがあって簡単には行きませんが、彼等のような神父様もいらっしゃることは、大きな一つの希望でもあるでしょう。誤解はいつか解けてくることでしょうが、私たちは協力を依頼している立場ですから、もっと理解していただけるよう
努力すべきだたっと、私自身も反省しています。
エレクトーンには浦上で弾いていただいた浜瀬さんに再びお願いしました。少しなれていらっしゃったし、終演後も大道具などを頑張って一緒に片付けて下さってる意外な一面を見ました。だんだんみんなと打ち解けあってくれると嬉しいです。
では、大人の使節から。
マルチノの諫山孝行さん。僕からのいろんな注文にプレッシャーを受け、大変だったようですが、やはり今回のように全曲演奏でマルチノの言葉を噛み締めて歌って演じていただくと、深い共感も自ずから生まれたのではないでしょうか?何度も同じ事を申し上げるのは、苦手なことなのですが、歌や演技に完璧などとい
うことはないのです。毎回毎回、歌も演技も白紙に戻って作り直していきましょう。次の機会を楽しみに、ですね。
ミゲルの大石愛子さんは、やっとミゲルの内面に素直に入って来れたような演技になってきましたね。嬉しかったです。自分でも、何らかの成長を感じてくれたかな?一所懸命に役を考える姿勢はとても好感が持てますから、普段の自分から想像もできない自分を見つけ出すべく、演技への謙虚な姿勢をもっともっと深め
てご覧。きっと意外な光り輝く世界が見えてくるかも知れないよ。
マンショの平山君も少し前回より進歩を感じました。しかし、まだまだ甘さが散見されるので、一度きりの舞台なんだ、二度とこの舞台は踏めないんだ、という気迫と集中力を育てて行きましょう。人柄の良さはそのままで。具体的にはマンショが、毎日どんな気持ち、どんな様子で過ごしていたか、毎日毎晩向かい合い
、想像しましたか?
ジュリアンだってそうです。彼の生き様は壮絶なものがあるはずですが、普段どんな風に逃げ回り信徒を励まし、神と向かい合っていたかーーー。考えるたびに、僕を深く励まして勇気づけてくれたことは何度あったことでしょう。正直なところ、殉教するときのジュリアンの心中を推し量ることは僕にもはばかられます
。殉教の苦しみのシーンで、あの音楽の中、僕がもし史実通り穴吊りされていたら、僕は耐えられるだろうか?練習も本番も問い続けるだけでした。
少年使節の四人。今回この四人を僕があまり特訓できなかったことが今回一番残念なことでした。みんな忙しいし、風邪をひいたからから仕方ない、で済ませるかどうか僕には分かりません。僕も風邪をひくこともありますーーーー。ベストを尽くせたかどうかは神様が御存知でしょう。ベストを尽くせる人は幸せで、ベ
ストを尽くすことが出来ない人もいることを忘れてはならないでしょうーーー。しかし、ベストを尽くし続けたい。そうですね、ザビエル様。僕の指導を求める人が今もどこかで待っている、でしょうか?(笑い)
井崎未麗ちゃんは初ソロ、かな?しかし、このオペラには一番古くから接したのではないでしょうか?最近、高音が伸びてきていたので、みんなともっともっと練習を重ねたかったね。
梓は、いつもながらみんなを引っぱり、精一杯ミゲルになりきろうと頑張っていました。
ご苦労様。大学の合唱部との両立はどうですか、楽しめてる?
藤野あかり。一番特訓したかった。折角、もう一息で音程への心配をなくせる道を指し示してあげられそうなのに、出来なかった自分が悔しいです。演技への真摯な姿勢が、歌にも同じように活かせるはずなのに、僕は導けなかったーーー。僕の能力の限界なのでしょうか?神様、もっとお力を!しかし私は不安ではあり
ません!(またーー?)あかりの気力を信じています。
田中美香は直前の練習に、回りの風邪などで参加できず残念でした。演技と歌にのめり込んでくる気迫が!といつも思っています。オペラは、もっと心の底から楽しめるものであることを、感じてもらえるよう導けたらいいなーーー。
ときゆく者の石多加代子は、いつもながら大変な雑用の中、全力で頑張ってくれて申し上げることがございません。ご苦労様でした。美しい歌声で、人々の心を和ませていってあげ続けて下さい。楽をさせてあげたいのですがーーーーー。皆様、お力を!
ベルナルドと仏僧の大園君。いろいろ思い悩み、屈折しながらも、何とか頑張っていこう。そんな姿勢が、独りよがりにならないで、みんなとともに。自由な心になって遊べる日が来たら、本当にいいね。人間はもともと自由なのですが、勝手に自分はこれでなきゃあ駄目なんだ、と思い込んで生きたがるものですからー
ーーー。でも、歌や演技に精一杯向かってくる姿勢は、やはり嬉しいです。さらに成長して、おおらかな心を共存させられるよう期待しています。
おんなは、桑原さん、藤澤さん、原田さんの3人娘で分担。本番直前に付け焼刃を願って個人レッスンもしたのですが、僕の力不足で、もう少し教え切れませんでした。それぞれの個性をうまく生かして引っ張れるよう、僕も自分に鞭打って頑張りますから、どうぞお導き下さい、3人の天使様。歌は一生裏切らない素晴
らしい財産!歌唱力が付けばどんなに大きな宝を抱いて生きて行けるか、計り知れません。そうですよね、皆様!
発声法。もう一度(もう何度繰り返したか?)だけ話します。あれほど「深々と軽やかな声いい顔で!」と僕が叫び続けているのに、発声の方法を教えて下さい、と平気で聞いてくる方々ーーーー?太古の昔、歌を歌うのに発声法など考えたでしょうか?
皆さん、自然でいいのです、発声は。さっきのことだけで充分。
ただ語りかけるだけの発声なら自然そのものでいいのですが、残念ながら作曲家は、もっともっと深いところから、高低、強弱、などの変化に、長いフレーズを使ったメロディーを駆使したがるものですから、腹筋や背筋などの筋肉を鍛え、呼吸法を鍛え直さなくてはならなくなったのです。ある意味では、作曲家が声楽
家と組んで、難しい歌唱法を必要とさせ、自分達の職業を守ってきたのかも知れません。
また、そうしてできあがった曲が魅力的な場合もあるので、僕もそっと教えます。
いや、でも、やはり内緒にしておきましょう、音楽家の職業を守らなくてはならないからーーー。などと、もし僕が言ったらどう思いますか?
大名と秀吉の住田さん。再びこの役どころの「感」を取り戻してきましたか?70歳になってもこの難解な曲をしっかり歌っていただけ、嬉しいです。これからも楽しくやって下さい。
こまごまとスタッフをしてくれた坂田さんはもちろん、今回も廣田さんや岩永君はじめ、オペラプラザ長崎のみんなが共演してくれたことが、僕にとっても何よりの喜びでした。「魔法の笛と鈴」でも何度か共演して来ましたが、今回のシリーズはかなりの密度の濃い共演だったことでしょう。皆さん、有り難うございま
す。
そして、更なる大きな喜び。オペラプラザ愛媛が15名も大挙してはるばる見に来てくれ、打上までご一緒できたことです。僕が願い続けてきた、オペラプラザグループ同士の連帯が、まさに出来てくるのを感じています。
私たちが目指すべきは、日本中の誰もがオペラやミュージカルで生き生きとし、回りの人々とも楽しい毎日を過ごせるようになってゆくことです。よね?
多少考えの違う方とも、舞台での共演を通じて、何か繋がり合えるものを見つけてくれるだろうと、僕は信じているのです。
オペラ界や音楽界のためのオペラ活動でないことは、もうよく分かっていらっしゃるでしょうが、未だに、お金を取れる公演か?とか、どんなレベルの演奏か?などという旧弊な価値観でしか私たちの活動を観られない方が、近くにもいらっしゃいます。私は、そんな方とも時間をかけて見つめ合い、語り合い、愉快にご
一緒に生きたい。こう願っています。
はっきり言いますが、私を含め、みんな神様の前では素人でしかありません。だからこそ、ベストを尽くしましょう。お客様を感動に導けるよう、真摯に全力で練習しましょう。
12月14日 上五島町の石油備蓄記念会館での公演
上五島町ってどこにあるかはご存じですよね?長崎県の西側にある五島列島の一番北の島です。人口は合併しても2万人余り、とのことです。
そこでオペラーーーー。
島民の皆様にとっても、びっくりするような「事件」だったようです。
4年前、長崎県の北松浦郡の方から上五島の青砂が浦教会に赴任された、親しくさせていただいてきた大山神父様の音頭で実現したのです。教育委員会を動かして下さり、地元の合唱団に出演するよう説得して下さったり、実行委員長としてまさにこのオペラを実現させて下さった一番の中心人物です。私の道楽で海に泳
ぎに行ったときも(本番の何日か前でしたが水温は案外暖かかったですねーーー)おつきあいで待っていただき、私は風邪をひかなかったのに、待っていて下さった神父様がーーーー、ごめんなさい!)そんなこともありましたが、大山神父様は、オペラの中でも、わざわざ裏切り者のユダ役を演じて下さったり、フィリップ二世役
をして下さったりで、まさに大活躍でした。
カトリックは、やはりいろいろな人材を抱えていらっしゃいますーーーーー。
公演には1000名もの方が見に来て下さり、この会場がオープンして依頼の快挙だったそうです。(浦上天主堂や、谷山教会での公演もこうだったらーーー、と思わずにはいられませんね。)やはり、実行委員会が大切だ、ということでしょう。
現在のところ、当会だけでは集客力が弱いのは明らかです。いつの日か、東京オペラ協会、というだけで何千人ものお客様が来るようになる日は、夢の夢、でしょうか?
まあ、そのようなことは、主の御旨にお任せしましょう。私たちは目の前のお客様と精一杯向かい合うだけです。
とはいえ、響きの点では相当心配しました。この響かない大きな会場で生声で勝負できるか?実は最後まで考えていました。しかし、合唱の皆さんの気迫、子供たちの声の通り具合、僕は生で頑張ってもらうことにしました。
現代、マイクを使った大音響で歌うことがオペラでも当たり前になってきましたが、耳をそばだてたくなる様な音楽にすればお客様にきっと言葉も届くはず。そう信じてチャレンジしてもらいました。結果はいかがだったでしょう?
ときゆく者の石多加代子は、連日のハードスケジュールでベストコンディションであるはずがありませんが、あの美しい声で、お客様を充分魅了出来たようで、ホッとしています。合唱の危ないところを、あちこち飛び回ってそっと近づいて歌ってくれていましたね。合唱団の皆さんから「髪を振り乱しても、なりふり構
わず教えて下さる加代子先生に感動していました。」と面白い感想もありました。皆様、どうぞ、長崎が誇るソプラノ歌手、を大切にご支援下さい。(本人は嫌がるに違いない言葉ですがーーー)
使節役をまず。
マンショに地元から相良君。仏僧役の筈が、大抜擢されマンショに。よかったね、誰かに暗殺されずに歌い演じられて。それほど、いい役だからね。大村や浦上の公演にも来てくれ、だんだんオペラにはまってゆく様子が、痛快でした。こざかしい人々は、つい簡単にはまってしまってたまるか、などと格好をつけたがる
ものですが、まっすぐにオペラに向かってくる姿から希望通り将来ジュリアンを出来るかも?と思いたくなるほどでした。翌朝も有川港に私たちを見送ってくれ、見えなくなるまで手を大きく振り続けてくれた姿、オペラの中のようでした。僕も意地になって、見えなくなるまでーーーー。
マルチノには安永さん。中学校の先生で武蔵野音大の後輩とか。よく通る声を持っているのですが、喉を固くしてるのをほぐしてあげようと何度かアドバイスをしました。演技も頑張ってくれました。終わり頃にはジュリアンとの間に深い絆が結ばれていたのを、2人で分かち合ったねーーーー。ナレーターが四人姉妹の
二番目のお姉さんで、あなたが末っ子。そういえばどこかーーーーー。それから、素敵な素敵なプレゼント、有難う。
また、カシミヤのマフラーを下さった合唱団の皆さんも有難うございます。おかげで、この冬は暖かく過ごさせていただけます。
お母様方の合唱は、本当に大変だったことでしょう。3曲だけ、のはずが10曲も覚えさせられることになりーーーー。しかもイタリア語にスペイン語―――。脱帽です。この私に、よく騙されて下さいました。
児童合唱のみんなも、はじめは元気のいい声が出なかったのに、どんどん歌えるようになり、しかもハーモニーも自然で美しく、後半の「夕焼け小焼け」は聞きほれてしまいました。
ミゲルには波佐見から井村奈保子が初挑戦。ある程度はやれるだろうと思っていましたが、やはり持ち前の集中力で、演じきりました。ソプラノなのにメゾの役は大変だったろうと思いますが、大いに褒めてあげたいです。頑張ったねーーーー!
少年役の四人にドラード。
若いジュリアンを演じてくれたソプラノが田本さん。心理カウンセラーらしいけど、よく聞くと、少年役などで二度ほど出演した浦田渚と同級生だったので、ブリックホール公演には見に来ていたそうです。まさか、五島に来て少年役で自分が出演することになるとは、まさに夢のようです、とのこと。僕にとってもそう
です。それに、練習の度にジュリアンを深めてゆこうとするその姿勢が快かった。他の中学生達にもとてもいい刺激になっていたことでしょう。この次は何役に?
マンショとミゲルは中一のもも子ちゃんとウミちゃん。素敵な手紙を有難う。僕も嬉しいです。君たちを採用したとき、僕にも多少不安がありましたが、僕の熱い期待通りに涙しながらも、乗り越えて練習を重ね、どんなに成長してくれたことでしょう。
これからも、一緒に君たちと成長したい、と思いました。僕は仙人でもあるから雲の上に還ってるかも知れないけどねーーー。
マルチノの睦ちゃんには口の中の開け方などで、さんざん注意しましたね。少し中が開いてきたように思います。自分で分かる?これからも、みんなとともに頑張るんだぞ!
ドラードになってもらった中野君。いつも何を感じてるのか分からない様子で、どうアドバイスしてゆけばよいのか、と思っていました。しかし、僕と同様、ただシャイなだけで、どう勉強してゆけばいいのか、分からないでいたんだね。発声を10年間勉強してコンクールに出たら?と言われたそうだね?とんでもない
、と思います。今すぐ、優れた指導者の下で死にものぐるいで勉強して下さい!前述したとおり音楽家は、弟子を長く教え続けることで食べてゆく職業ですから、仕方ないのです。でも、君は今回で、本当に自分の歩みたい道が見えましたか?
町の上も安定した歌唱力でしたし、演技のぎこちなさも僕には微笑ましく感じていました。うまく演技をこなしたほうがいいのでしょうが、あれくらいで十分楽しめる僕は甘いのでしょうか?お客様の反応は?
おんな役の原さん。頭上の響きを舞い上げるように、とのアドバイス。少しはわかりましたか?
ベルナルドの山口君。浦上にも参加してくれましたが、相良君同様、終わってしまって、今さびしいだろうねーーー。少し独りよがりなところもありましたが、ベルナルドの気持ちになって頑張る姿勢はよかったね。カウンターテナーは気持ちよかったかい?まだまだのところが多くありますが、これからも成長して行っ
てくれることを願っています。
通訳の前田さんは楽しんでいましたね。それだけで面白かったです。ジュリアンを役人に売るシーンもお見事でした。
教皇様になった江口さん、ご心境は?実行委員、ご苦労様でした。そしてありがとうございました。おいしい鯛もーーーー。
ヤジローに扮して下さった、大瀬良神父様。本番に向けて、どんどん気合が入ってきて、よくヤジローの気持ちが伝わってきました。日本人としてはじめてのクリスチャンになったヤジローの心、お客様の心にも伝わって行ったのではないでしょうか?
上五島は森さんの仏僧。なかなか良かったですね。さすが、と思っていました。いろんなことがお出来になるのは、保育園の先生でいらっしゃるからだけではありますまい。やはり、今までの人生で何かを掴んでおいでになったことでしょう。今後もどうぞよろしくーーー。
ヴァリニャーノには東京からISSY。まずまず、この役をこなしていたけど、ヴァリニャーノってどんな人だったか調べてみたことはある?この次はもっと深い共感を持ってこの役にチャレンジしてください。
長崎からは廣田さんが忍室。久しぶりにじっくりこの役に戻っていただきました。
岩永君がISSYにヴァリニャーノ役を奪われた形で、再びザビエルに。
廣田さんと岩永君は二人とも歌のソロがなかったので物足りなかったところもあったでしょうが、支えるほうに回るだけのときもあっていいよね。
そういえば、オペラプラザ長崎から、出演ではなく見るためだけに、川口さんと山下さんが来てくれていました。
カトリックの人が仏僧や忍室、あるいはユダをやり、仏教徒が神父役になる。実にいいですね。大山神父様は踏み絵を踏んで、ジュリアンに許しを請いに来ていらっしゃいました。それぞれみんな、いろいろなな気持ちを抱きかかえ、理解しようとし、乗り越えて、このオペラに参加してくださっているのですねーーー。
打ち上げでの、町長さんや教育長さんの、地元参加者へのお言葉はお世辞とは思えませんでした。出演者や観客のみなさまの、熱い厚い篤いラブコールがきっと実り、近いうちまたキットお会いできることでしょう。
海外公演も、この何年か僕がサボって欧州に行かないものですから、少し滞っていますが、何とか実現したくなってきました。皆さん、行きたいですか?欧州の方々と共演したいですか?
各地の支部を旅芸人のように飛び回りながら、よく考えます。人間って、どんなに素敵にもなれるんだから、みんなで素敵になれたら、人生はどんなに素晴らしいだろうーーーー。
人間の弱いところを見つけ出そうとすると、いくらでも簡単に見つけ出して非難もできるでしょう。でも、いいところをどんどん見つけ出して、それを楽しみあったらどんなに素敵ないいでしょう。
今回のジュリアン、珍しく体調も海で泳がせていただいたせいかそれほど悪くなく、私は最後の力を振り絞って歌い演じ抜きました。いや、そういうのは正確ではありません。何らかの力が働いて僕に力を与えてくださり、あのように演じさせていただいたからです。今までで最高の出来だったように思います。2メート
ルの大乗から飛び降りたときも、ゲネプロで確かめたものの、もう骨折してもいいと思って殉教するような気持ちで飛び降りました。しかし、カーテンコールでは蘇っていましたね。自分でも不思議です。
僕は本当にいつまでたっても青臭い若者かもしれません。雲の上に帰ってもそうかも知れません。森さんが僕のまなざしから、そんなことをおっしゃっていましたが、僕自身もそんな気がしています。
しかし、皆さんも、みなさんの中に「忘れられた少年」を持っているのではないですか?
大人ぶっているから、忘れているだけでは?
次は多分、来年の愛媛巡演になるでしょう。皆さん、応援に来ませんか?
最後にもう一度、このオペラの歌詞を思い出しましょう。
「忘れられた少年よ、君たちはどこにいるのか?
遥かな遠い昔に通り過ぎてしまったのか?
いいえ、僕たちはここにいます!
見えるでしょう、僕たちの笑顔が。
聞こえるでしょう、僕たちの歌が。
いつのときにも、どこの国にも、僕たちはいるのです、あなたのそばに!」
今度はこのオペラ、愛媛で公演されるでしょう。欧州かもしれません。あるいはーーー。
少年たちはどこの誰がするのでしょう?
このオペラを愛してくださる皆様に感謝を申し上げながらーーーーー。
どうぞ、お元気で!
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