エドワード親書 2009年7月号
東京オペラ協会管弦楽団 第1回コンサートに寄せて

今回はオペラの本公演なみに、数多くの方々(100人以上)が関わって下さいました。
その人々を統率され、企画推進された運営委員の皆様に、改めて深く敬意を表します。
知らないのはヘボ監督ばかりで、涙、涙の裏話も数限りなくあったことでしょう。
オケのみんなの熱意には、ただただ頭が下がるだけです、ご苦労様でした。

相も変わらず時々いい加減になる私の指揮は、今回もお詫びするとして、トレーナーとして呼んだ大野桂一郎さんは、若くていい指揮者ですね。これから大いに楽しみにしています。老人の跋扈を許さず、仙人もどきの監督を早く追い出して、どんどん皆をシゴキあげ、立派な指揮者として活躍してくださることを期待し ています。まだまだ人生経験は必要でしょうが、それよりも、全力で音楽に取り組む姿勢が溢れていて爽快でした。みんなも、歌手もオーケストラ団員もそれによく応えてくれていた様に思います。

合唱ですが、今回はACJ合唱団には代表の島谷恵介さん、そしていつもの児童合唱メンバーと柿の実幼稚園の子どもには、田村多佳子さんと清水円さんが指導して下さいました。島谷さんとACJ合唱団のみんなには、第1回のコンサートでもありオーケストラのスタッフも不慣れなゆえ失礼なこともあったと聞いております。申し訳ありませんでした。すべて、総監督である私の責任です、どうぞお許しの上、これからも仲良く助け合ってやってゆきましょう、お願いします。

司会には、神鳥千登世さん。私の構成プランが、いろんな都合でうまく定まらず、ご迷惑を掛けたところもあるかと思いますが、上手く処理して行って下さり、ありがとうございました。今度は、マネージャーとよく打ち合わせ、もう少し時間の計算をして考えましょうね。

そのステージマネージャーには吉原健司さん。恐らく大変な気苦労があったのではないかと思います。心から、ご苦労様でした。

フロアマネージャーとして参加してくださった、小尻美樹子さん。そして、ACJのフロアスタッフの皆さん。服装や雰囲気などもビシッと決めてくださってありがとうございました。当会のいつもと比べて、ぐっと引き締まった感じでしたね。

当日も子どもの世話をしてくれた、フルートの増田有紀さん、そして恵理子。子供たちへの優しい配慮、ありがとうございました。増田さんは、この次にはどうぞ演奏者に戻って下さい。

合唱では、青山安郷香さんや平山ゆかりさんが今回もハンディーを乗り越えて頑張ってくれましたし、いつもの児童合唱メンバーは慣れて来ましたので、常連となって活躍してくれました。その上、前回の「カルメン」にも出演してくれた柿の実幼稚園の皆さん、ACJ合唱団の新しい仲間達が参加してくださり、30人近くの児童合唱になって賑やかでよかったと思います。これからも、協力し合って出演してくださることを期待しています。一緒にみんな仲良くなってほしいし、合同練習できる時間をどう確保するかが、今後の課題ですね。
それから驚いたことに、10年前に倉敷市民会館で日中合作歌劇「蓬莱の国―始皇帝と徐福」公演をしたのですが、ACJ合唱団の保護者の中に、その時テレビ取材してくださったレポーターがいらっしゃり、10年ぶりの再会で、ビックリしました。本当に奇遇ですねーーー。
袖触れ合うも他生の縁、と言いますが、それどころか、こうして繋がってゆくのですね。

さて、オケの面々。
一年前に比べてオケの皆が上達して来てくれたことは、嬉しかったです。エキストラの皆さんの活躍、大野さんの熱心な指導もあったからでしょうがーーーー。しかし、内心もっと嬉しかったことは、僕の作りたい音楽を鋭く感じてきてくれるメンバーが出てきたことです。何よりも音楽、ですね。その上、ずっと私が提 唱してきたユニバーサルデザインによるオペラ作り、その意義を分かって来た人が少なくとも数人は出てきたことです。5年くらいすると、みんなだんだん本当に分かってきてくれるかな、と漠然と考えてはいたのですが、最近聞こえてくる声に耳を傾けていると、内部より、案外外部の人の方が、早く客観的に当会の姿勢を捕らえることもあるかも知れません。
ユニバーサルデザインオペラとは、誰もに秘められた何か面白いものを発見して、それを皆で助け合って伸ばし、それぞれに花咲かせるーーーー。いいとは思いませんか?あなたには現実離れしたものですか?現実離れしていてもいいじゃありませんか、遣り甲斐があって。僕は仙人より、ドン・キホーテに近いのかも知 れません。皆さんの心の中にも、ドン・キホーテは眠っていませんか?

オケの面々のお一人ずつにはコメントできませんが、コントラバスの飯塚拓也君の、僕に懸命について来ようとする姿は気持ちよく、将来への可能性を感じました。浅野愛子さんも大変な事情の中、よく参加していただきました。ウィーンから誰かの至上命令で飛んできてくれた19歳の宇野健太君も、僕の音楽に喰らい 付いて来るのを嬉しく思っていました。ピアノの金田朋美さんも目立たなかったけれど、きちっと棒について来てくれていました。フルートでは、櫻本歩美さんと七田佑子さんが兵隊さんのところなどで、二人でしっかり楽しく演奏をしてくれていました。オーボエでは肥後君が頑張っていましたが、姉御、こと我らが運営委員長= 武田千恵子さんもいい音を出していました。ファゴットの加川さんにはリズムに乗ってくるよう指示しましたが、すぐお出来になるので、もっと早くいろいろアドバイスすればよかったのに、と反省しています。やはり、僕は言葉による説明が少なすぎるのでしょうか?ホルン4人組は、リズムなどが合わなくて気になりましたが、本番では良くなってきていましたね。ホルンの植村友香子さんは衣装を着てしまうと、ホルン奏者とは思えないお姿。これからはやはり衣装も大事かなーーー?(そうですね、汗だらけだった監督??)トランペットは、小嶋洋一さんと西谷亨さんのデコボココンビ。 僕は、いきなり吹かせるので十分な用意もできず緊張もしてしまうでしょうが、これからもよろしく。トロンボーンは下里猛雅さんら3人の名トリオ。まずまず、のところかなーーー?
パーカッションは篠塚時人さん。いつもながら演奏には深く信頼していましたので安心して振っていられました。野崎南さんも、前回のカルメンよりもはるかに音楽を分かち合えた気がします。梅田さんは初めでしたが、よく付いて来てくれました。そして、前回の魔笛での我らが指揮者=田中亮さん、今回は打楽器で参加して下さいました。ありがとうございます。私の音楽に向かう姿勢を深く理解して下さっていることが嬉しいです。


コンサートを順に追いましょう。

先立って行われたロビーコンサート、そっと覗かせてもらいました。暖かくてよかったですね。お客様のゆったり楽しまれている姿が、ほんわかとしてよかったです。どんどん、こんな形でも演奏会が開かれると嬉しいです。

最初の「泥棒かささぎ」序曲。音楽そのものはロッシーニの最高傑作とは思いませんが、オケのよさを纏めて表現できる曲でいいと思います。

マスネーの「タイスの瞑想曲」はよく流れている曲なので、ご存知の方も多かったことでしょう。昆野亮子さんも気持ちよく弾いているのが分かりました。昆野さんはコンミスとして今回は大変なご苦労をされたことと思います。本当にお疲れ様でした。(念のためですが、僕は人と会った時、お疲れ様、とは滅多に言い ません。)

神鳥さんのインタビューでは、僕のぎこちない答で申し訳なかったのですが、オペラは総合芸術とはいえ、声のアートと言いたかっただけなのです。特にイタリアオペラは。
田村多佳子さんも塩塚隆則さんもそれに応えてくれました。イタリア語とはいえ、二曲とも有名な曲なので、お客様も親しみ易かったでしょう。

モーツアルトでは、彼が歌の勝手を許さず、歌手が自分のいい声を聞かせようとしたとたんに音楽がくずれるように作曲してあり、彼の音楽のしもべになって歌いきれば、その歌に新たな想像力が働いてファンタジーが無限に広がり、音楽が輝いてくる、と言いたかったのです。時間に押されて、ゆっくり話せなかったこ と、お客様にも申し訳なかったです。この次はもっと打ち合わせて、時間を計算しておきましょう。

若い細川慶郎君も、精一杯コンテを表現しようとしていましたし、清水円、杉山裕美の両名もまずまず、でした。清水さんはしっかりしたリリックな声を持っているので、これからもさらにしっかりとした歌唱技術を極め、相手の話をゆっくり聞けるよう人間的にも成長して、人々を幸せに出来る歌が歌えるよう期待して います。杉山裕美は、岡山から出てきたばかりですが、声もまっすぐ気持ちよく伸びていました。お兄様お姉さま方の暖かいアドバイスをお願いします。
ただ、この曲についての僕の音楽は、まだまだ、伝わっていませんからそのつもりでいて下さい。もっともっと素敵な曲です。

オッフェンバックの「天国と地獄」では、指揮者体験コーナー。どうなるかと心配していましたが、何とかなりましたね。もっと変ったチビッコ指揮がいれば、オケのみんなは面白がったかもしれませんがーーー?
「天国と地獄」序曲は、まとまった良い曲ですね。大野さんも、いい音楽にしてくれていました。

一部が終わったところで、脱線です。
オケの皆さんは、音楽が好きで、参加していらっしゃるのは分かるのですが、一生の単位で考えると、音楽とどんな風にお付き合いしたいですか?

まず、プロかアマか?
1、プロとして演奏活動のみに専心したいですか?
2、他にも仕事しながら、お金のためではなくアマチュアとして演奏活動したいですか?
3、その中間で、少しは収入になることがあってもいい、と思っていますか?

続いて、誰のために演奏したいですか?
1、お金を払ってくれる聴衆
2、自分自身
3、両者のため
4、評論家
5、教えてくれた先生

どんな音楽活動が、幸せを呼ぶと思いますか?
1、誰もが楽しめるもの
2、音楽愛好家のためのプロフェッショナルな演奏
3、学芸会的なもの
4、アマチュアの演奏でありながら、プロをも凌駕する熱く、また洗練された演奏

こんなことを分析してみたことがありますか?私自身の中にはそれらすべてが共存しているかも知れませんが、何がいいか、悪いかは、結局わからないものです。とにかく常にベストを尽くしたいです。指揮者として、演出家として、演技指導として、歌唱指導者として、代表責任者として、出来ることをこの30年余り、精一杯積み重ねてきたように思います。音楽界の体制から一歩距離を置きながらも、共感してくださる音楽界の人々とも一緒に、出来るだけのことを粛々としてきただけかも知れません。

しかし、これからは、皆さんの時代です。先ほど述べたように老人の跋扈はよくないです。
だからと言って、若者や時代を諦め、背を向ける訳ではありません。私は人間が好きで、大自然が好きで、音楽がこんなに好きですから。

オケの皆さん、先ほども少し触れましたが、私が捕らえている音楽、どの程度受け止めていますか?時々いい加減に振ってしまう指揮者、というだけですか?これから何年かして私が引退する前に、音楽って、もっともっと素敵なんだ、ということを出来るだけ多くの人たちと分かち合いたいです。今回は、私の音楽が私 の手の動きや表情から演奏者に確実に伝わって、いい演奏になり、お客さまにも伝わって行ってる、と思えるときがありました、――――いいですね。今、オケの誰とはいいませんが、みんながそんな仲間になってきてくれていると信じています。僕が雲の上に行ってしまう前だと、なおいいですね。

それにしても、時々ちょっと寂しく思うことがあります。
私が思うことが、何度も何度も口をすっぱく繰り返さないと伝わらないという現実です。
音楽作りにもそれが言えて、みんなとまっすぐ向かい合って仮にその時いい音楽が出来て、みんなもいいなーーー、と思った筈なのに、その次はまた同じ注意を繰り返さなくてはならない、というこのこと。どう思いますか?指導者の宿命?当然必要な忍耐力?
純粋で馬鹿な芸術家には、耐えられぬ試練でしょうねーーーー。
とにかく、参加してくださる歌手や合唱団員の皆様、私と一緒に二度と帰らぬこの時間をもっともっと素敵に過ごしませんか?
ある大学で講義しているとき、「先生はノートを読まなくて、毎回違うことを話すのですか?」というような疑問を学生から持たれたように思います。例えば「現代芸術論」を教えているとき、私はマイクを使わなかったこともあり、学生達に私語を一切許さず、携帯電話なんかを使おうとしたら、窓から投げ捨てたこと さえあります。「私はロボットではない、二度とない時間をいま共有してるんだから、全力で向かい合おうじゃないか!」と話しました。音楽作りでも、多少同じことが言えます。私はいつも白紙で、音楽への情熱しかないのでしょう。
それが、エドワードの指揮はどうなるか分からない、とオケのみんなが不安になる要因の一つでもあるかも知れません。


第2部の「カルメン」に入ります。

スコアにある音をもとに音楽をまずイメージし、それを演奏者に伝える、という作業は普通の指揮者通り私もするのですが、音楽を、その場で生まれたように演奏したい、と願っていることが時々問題になるのでしょう。仙人とはいえ私もまだ修行が足りず人間ぽいし、オケも歌手も調子のいい悪いもある、それに聴衆だ っていろいろだし、私は演奏中の聴衆の気持ちを背中で感じながらも、その時思い浮かべる最高の音楽をと集中力をもっとも高めて、その場で最終的に作るところはどうしても残るのです。私の場合は、即興的要素が比較的大きい比重を占めている、ということでしょう。

しかし今回の最難点は、何度も言いますが歌手を背中にしたことです。僕のような指揮者にとって、これは大きなハードルで、試練でした。歌手のミスを助けられたところもありますし、どうしようもない時もありました。(たいていのお客様には、そう大きなミスではなかったかも知れませんが、演奏者の中ではスリリ ングでしたねーーー)僕に、もっと技術があったら、もっと上手く解決できなかったか、と考えています。今後はなるべく、僕の指揮を視界に入れられる演出を心がけましょう。

演出、と言えば、今回は演奏会形式の上、主役歌手が途中で入れ替わるなど、お客様には分かりにくかったか心配していますが、どんな反響でしたか?
今回は演技や動きを出来るだけ抑えざるを得なかったのですが、制限された僅かの時間しかないナレーションで、どこまで私の解釈がお客様に届いたかーーーー?

今回は何より音楽!と自分に言い聞かせて、本番では殆んど指揮だけに専念しました。(いつもなら指揮をしていても、演出や演技に、相当の神経を向けるのですが。)

有名な前奏曲は、大体イメージ通りに演奏できたように思います。

次の子供たちの合唱は、全員での練習時間を取れなくて、心配をしましたが、本番ではさすが子供たち、元気いっぱいに歌ってくれました。客席後方からの大野さんのペンライトもうまくいったのでしょう。

タバコ工場のシーンは精鋭三人の男声、本当によく頑張ってくれました。女声合唱も、注意したとおり余計なアクセントを排して、きれいに流れて良かったです。みんなの表情は見えませんでしたが、きっとそれなりの表情で歌ってくれていたと信じます。

続くハバネラ、紅さん、よく頑張りました。声も表情も、どんどん良くなってきていたので安心していました。歌詞のことは愛嬌で、お客さんもなんとも思っていないでしょう。
ミカエラとホセの2重唱。辻村久美子にはミカエラは荷が重いのではと心配していたのですが、何とか重圧を撥ね退けて、声も少し伸びるようになっていました。しかし、楽譜を正確に思い浮かべて歌えていないので、微妙なテンポルバートが僕と分かり合えず、向かい合えなかった位置関係がやはり残念でした。ホセの結城孝一さんも病を 乗り越え、声も戻ってきて元気になってきてくださり嬉しかったです。何しろ、創立当初からの仲間なのでーーーー。

シャンソンは、音楽のリズム感など、全体としては何とか僕らしい音楽が鳴ったように思いますが、歌の入りがずれてオケのみんなとヒヤッとするときがありました。これも、僕が歌手と向かい合えなかったことが一因と残念です。3番の歌い出しはテンポも速くなっており、声が通るか心配していた谷野有紀さんは、後半では伸びてきたので、これからお腹と頭がしっかりつながった発声を身につけてくださるよう切望します。青山さんは、歌い出しの残念な失敗もありましたが、僕の音楽に乗ってくるために努力を精一杯してくれていました。柳井友 梨香さんは、発声が自由になってきているのを感じています、これからもさらなる修行を。

闘牛士の歌も、全体の音楽にはある程度満足しています。オケの女性たちに人気の新川達亮君には、歌詞が危なくなったときには精一杯のエールを送りながら指揮をしましたが、あまりに繊細な新川君なので、新川君らしい歌い手として、独自の道を切り開いてほしいと期待しています。
フラスキータの清水円さんの「恋〜」のくだりは、やはり本番で遅くなりかけましたが、何とかなりホッとしました。これも、指揮を見ることが出来ない位置関係の為でしょうか?

続く難関、クインテットも怖かったですが、これも全体として纏まったように思います。テンポを作るのが難しい曲なのですが、この曲でも、オケと私のチームワークが段々取れてきたと思えました。私が直接オーケストラのみんなと練習する時間が少ないので、副指揮者やトレーナーに頼るしかないのですが、そのおか げもあってか、プロのオケを振ってるような気持ちでした。
秋山君もうしろ君も楽しく歌え、この曲は歌手とは、見えなくてもうまく行ったと思います。

ホセの花の歌。佐藤君も、フェルマータの処理なども予定通りクリアーし、無難に歌えました。佐藤君も繊細すぎるようなので、今後、おおらかな気持ちで歌えるようになるといいですね。

第3幕への間奏曲
何といっても、初めのフルートソロ。櫻本歩美さん、僕の音楽を確実に受け止めて演奏してくれて、本当に美しかったです。その後に続くクラリネットの阿部亜紀さんも見事に入ってきてくれました。その後、肥後将さんのイングリッシュホルンなどが入ってくるところも、ナレーションを入れなくても、と思えるほどだ ったのですが、私がこの曲をどう解釈しているか、誰にも分かって頂くため神鳥さんと相談して、柔らかく言葉を入れてもらいました。お客様はどうだったでしょう?

ミカエラのアリアは名越桃子さん。もともとレジェロな声がミカエラらしくリリックに伸びてきているのを感じていたので、楽しみでした。そして期待に応えて美しく歌ってくれました。僕の音楽が、言葉も要らず伝わる歌手だと思っていましたが、僕の配慮の足りなさはどうぞお赦しください。これからも陰ながら応援 しております。

最後の大合唱も、現状としては、大体僕のイメージどおりに演奏できました。子どもも歌手も、みんなよく付いて来てくれました。オケはもちろんです。
続く、カルメン最後の場面も、谷野さんとしては精一杯歌い演じてくれたように思います。
佐藤君も、予定通り?歌ってくれました。無事ご卒業を祈っています。きっと心配は要りません、実は僕も卒業が危なかったのです、僕はバドミントンのためですがーーーー。

アンコールについて。
ゲネプロのとき、もっと活き活きしたリズム感にとオケに指示しましたが、本番でどうなるかと思っていたら、実に良く弾いてくれました。やはり、口にすること、ですね。合唱とは、最後のアッチェレランドがよく伝わっていなくて、危うかったのですが、オケのみんながよく付いてきてくれたので、何とか纏められま した。これも、見えていれば、難なく出来たことですがーーーー。

子供たちを加えての「きれいな音だ〜」は、もはや当会のテーマソングのようになり、オケのメンバーも楽しく歌っている姿に、お客様もおおいに楽しんでリラックスしていただけたことでしょう。最後のフレーズでは、歌手や子どもが、歌っているオケメンバーの傍に行ったらと、思っていたのですが、それは次の機会 に。

こうして全体に歌手とオケのバランスなど、位置関係の問題と、マイクを使った関係で、僕も完全には把握し切れていませんでした。僕のあの場所で、精一杯、いい音楽にしようと努力しただけです。まだアンケートも読ませてもらっていませんが、今回は4台のカメラを使ったDVD、楽しみです。しかしもし、何かミスをみつけても、そればかりに捕らわれず、お客様が全体に受けた印象をしっかり受け止めて、次につなげましょう。


さて、制作についてです。
冒頭で述べたとおり、今回はオケの初めての主催で、運営委員の皆さんも気合が入っていたでしょうが、スタッフだけで一体何人の方々が運営委員以外から参加されたでしょう?
スタッフ一人ずつの役割分担、それをどう統括するか、など難題が山積だったかと聞いています。僕のような能天気な指導者は制作面では一切頼りにならないと、皆さん思っていらっしゃったことと思いますが、密かに僕に出来ることは?と思い続けたのですよ。半分くらいのスタッフにして、効率よく楽しく制作するの は無理なのでしょうか?何でも完璧にしよう、と意気込みすぎると、息切れしてどこかに穴が開くものです。それより、どこには十全の注意を払い、泳がせるところは泳がせる、といったような、剛柔併せ持った考えも時にはいいのでは?

私が唱える、ユニバーサルデザインオペラに共感して参加してきてくださってる方も、参加してみて初めてそれが分かった方も、ユニバーサルデザインではオペラなんか出来るはずがない、と思っていらっしゃる方もお聞き下さい。

いろんな方々がいらっしゃる世の中ですから、いろんな音楽活動があるのは当然ですが、いつもは違う考え方をする人がたまには一緒に集まって音楽を出来ないでしょうか?
つまり、今回はこの指揮者で団結して音楽作りをしよう、今度だけはこんな演出家のプランで役作り舞台づくりに励もう、と例えば思えないでしょうか?
長く音楽や舞台をやっていると、思い込みによる能書きが多くなってしまい、ついそれを人に押し付けたくなります。それで芸術界のピラミッドも出来てしまうのですが、それも自然です。でもね、長くやってる者の考え方が常に正しいとは限りません。人心も世界情勢も常に動いています。変らないのは、いつまでも愚 かでいる人間です。(冗談?)だから常に謙虚でいたいのです。

いつもながら新書には思いつくまま順不同で書いていますが、もう一度。
東京オペラ協会はいったい何をしたいのか?何を目指してるのか?最近、親書にも載せましたが、まだまだ浸透するには時間がかかるのでしょう。その上、私は同じことの繰り返しが苦手で出来ない人ですからーーーーー。
でも、私の基本は同じです、変りません。それは、人々を幸にする音楽活動を広げたいーーー。
私で変るのは、能力です。仙人も地上に長くいすぎて段々体力もなくなってきましたし、視力も聴力も落ちてきました。それはそれでいいのです。
しかし、指導するときの忍耐力はどうでしょう?いろいろな人々への愛は?弱い立場に立たされた人への優しさは?音楽を深く理解し表現する技術、このような部分ではまだ、存在が許されるような気がします。私の勝手な思いですがーーーー。

続く東京公演は、10月11.12日の「忘れられた少年―天正少年使節」、12月23日にはオリンピックセンターカルチャー棟小ホールでクリスマスコンサート、来年4〜5月ごろ、運営委員長の強いご希望もあり、喜歌劇「こうもり」を考えています。

オケの皆さん、参加者の皆さん、スタッフの皆さん。滅多に言わないことを言います。
皆さん、お疲れ様でしたーーーーーー。
ぶつかり合い、励ましあい、ののしりあい?悪戯し合い、みんなで愉快に監督の悪口でも言いながら、それでも楽しく音楽してゆきましょう。

暑い中、どうぞみんな元気で!!

   2009年7月17日

  石多エドワード