エドワード親書 2017年8月号

高山右近 イタリア・バチカン巡演

参加されたすべての皆様、お疲れ様。
そして、何より、よかった。
スタッフはスポンサーの問題で大変な思いをしてきましたが、今回の大成功ですべて報われたような気がします。スタッフや関係者、そして参加されたすべての皆さんが頑張ってくれて、あの終演後の感動があったのだと思います。
順に思い出してみますね。

ローマ法王

先発隊がミラノに到着したのが7月25日の夕方。ホテルからのシャトルバスで一行6名が、ホテルグランドパレスに到着。
先発隊にやってもらう作業が山とある筈だったのに、そうでもなかったので逆に済まない気持ちでした。まあ、ミラノやヴァレーゼの町の下調べやランチの場所などはチェックで来たかな?
記者発表も楽しく出来、白浜ご夫妻ともゆっくり話せたことはよかったですね。
ヴァレーゼの市長さんが若かったので少し意外でした。
いろいろ省略して、本隊を迎えましょう。

27日夕方に本隊がミラノのマルペンサ空港からホテルにバスで到着。
疲れ切っていたでしょうが、早速24時間空いているスーパーに夜食の調達に案内。
夜はそれでも、羽を伸ばしたくなった人も多かったかな?

28日は夕刻まで自由にと思ったけど、やはり午前中は練習しました。希望者と自信がまだ持てない人だけの練習でしたが、ほとんど参加したので、よしよしと思いました。この練習が、後でも効いたように思います。
昼は解放して、夜は全員で再び練習。この練習でまあまあ見えてきたかな。
しかし、若いマッダレーナさん等VillaParadeisosの会場関係者との連携が難しいのを感じました。こちらがお願いしたいことと、彼らがやりたいことのギャップを埋めるのが難しかったのです。細かい灯りの変化を工夫するのに時間を取られたくない僕と、いろいろ凝りたかった彼らとの感覚の違いを埋めるのが。
こういうことで6000ユーロが必要になったのか、と思いましたが今更断れないし、と残念な気持ちでした。
字幕の件でも、思い込みの激しいマッダレーナさんを納得させるのに苦労しました。
台本のイタリア語訳も、高田陽子さんにお願いしていたのですが、パンフレットに掲載する予定の全訳が陽子さんからマッダレーナさんに届いていなかったことが、印刷後判明し、後で後半を刷り直したようです。

暇な読者の皆さん、こうして五月雨式に思いつくまま書いていますから、時系列が前後してしまって以上るかもしれません。

29日の陽子さんが住んでいるCello Maggioreでの公演は、お客様が少なく驚きましたが、まあ、終演後のお客様の感想や雰囲気も良く、気持ちよく終われました。サービスで出されたお酒やおつまみもよかったですね、ホテルに持ち帰れたし?

30日は、照明との時間調整に手間取りましたが、結果として、満席のお客様の中、熱のこもったとてもいい公演になりました。謁見に協力してくださった在日20年のルチアーノ神父(ローマ法王の秘書と親友)が、オペラで出てくる言葉にいちいち頷いていらっしゃるのが印象的でした。
心配していた雨が降り出す中、外では絵の展覧会もありました。終演後、絵を一点頂きましたが、雨が上がって彼らもホッとしたことでしょう。
とにかく、皆も分かっていたように、この公演は相当な感動を呼びましたね。テレビ局のインタビューも受けましたが、50分の番組を作るとか仰っていました。何を話したかほとんど覚えていませんがーー。

そして翌31日の朝早くローマへのバス移動。
途中で2度ほど休憩がありましたが、皆は楽だったかな?
渋滞でジェス教会着が遅れて、教会で待ってくださっていた日本大使館の小川参事官にお会いできなかったのは残念でしたが、舞台関連荷物だけは教会のご厚意で置かせて頂きました。
この教会は、ザビエルの片腕が安置されている、当時世界を圧巻したイエズス会の総本部の教会です。これだけの絵や装飾を、いったいどれだけの時間とエネルギーを注ぎ込んで作ったことでしょうーー。

実は、僕は、人間が作ったものにはあまり興味を持たないのです。大自然がいたるところにはるかに素晴らしいものを作ってくれているのを感じるからです。
人間が作ったものは、バビルの塔に象徴されるように、一本の野のユリがソロモンの栄華に勝るという言葉通り、所詮、ささやかな楽しみと捉えておくぐらいでしょうか?

それはともかく、ここの主任司祭のアダモ、ヴィンチェンソ神父のことをお話ししたいです。
また遡りますが、何か月か前に、ジェス教会で公演できたら嬉しいです、と長崎の高見大司教にご相談したら、長崎の26聖人記念館の館長をしていた知人のレンゾ・デ・ルカ神父が、イエズス会の日本管区長になったので、相談してはとアドバイスを受けたのが始まりです。
四谷の管区長室を尋ねると、ルカ神父はすぐに快諾してくださり、ジェス教会のアダモ神父に手紙を書いてくれたのです。
しかし、このジェス教会で演奏できるかのアダモ神父からの返事は一ケ月以上かかりました。やはり慎重でなければならなかったのでしょう。
イタリアでは時がゆっくり流れてゆく、のでしょう。イタリア時間に合わせましょう。

演奏は、最高だったように思います。心配していた直弟子たちの歌も「まあまあ」だったし、8月に入り多くの方々がいなくなる休暇中だったにもかかわらず、たくさんの観客の皆さんがお見えになり、大使たちの反応が良かった。終演後、中村芳夫大使はもちろん、韓国大使、イタリア大使、等のお顔も集合写真には見えます。
中村大使は、経団連の副会長や事務総長もしていらっしゃった方で、政財界に通じた方ですが、彼が私を理解してくださったことから、バチカンも動いてくださったのです。
当初のスポンサーがどんな方か、大使はいろいろ日本からも噂を聞いておられ、私のことを大変ご心配くださっていたのです。大使に白浜さんをご紹介できたこともよかったです。

アダモ神父の話でしたね、戻ります。私は、この大柄なアダモ主任司祭がとても好きになりました。寛容で、暖かく、笑みを絶やさない、こういう方が神父様のあるべき姿、と思えました。みんなも、何か感じたのではないでしょうか?
彼は、宣伝広報はもちろん、照明や字幕についても教会内部の使用についても最大限の努力をしてくださり、その上で終演後の打ち上げの席を教会側で設けてくださり、スタッフの方々とも楽しい交流をさせて頂きました。
彼を何とか日本に招きたいですね。
彼の口から、日本のカトリック界に、ジェス教会の公演の模様を話していただいたら、効果抜群では?そこまで考えなくても今後は神様にお任せするかーーー。

さて、翌朝はついに謁見式。
一番前の一般席に座らされるかもしれないので、早めに並びに行ったつもりが、既に多くの人々が長蛇の列。しまったと思いましたが、何とかエレクトーンの持ち込みという第一関門を突破。急いで席に行こうとすると、担当官から待て、と。
やがて案内されたのは、教皇様と同じフロア―の特別席。何と特別席が用意されていたのです。世界各地から一目教皇を見ようと集まってきた8000人の人々を前に、特別席に座らされた時は、皆も緊張し驚いたでしょうねーー。
しかし私は、舞台のように動きながら歌うことを考えていたので、マイクの調整が難しかった。
私たちの反対側では、シューベルトの「アベマリア」を歌っていた人がいたのですが、アマチュアにしてはなかなか歌うなと思っていたら、あのパヴァロッティの後を継ぐと言われる盲目の世界的テノール歌手でした、失礼。
それはともかく、時間が無くなって我々の演奏をBGM的に聞かそうと側近の方が思われたのか、教皇様はまず、一般席の前に置かれた障碍者グループの皆様のところに降りて行かれました。
歌いながらどうなることかと思いましたが、私たちのところに戻ってきてくださり、歓談できました。私がまず、オペラのことをパンフレットを見せながら一通り話しましたが、二度とないこんな機会だからと、わざと私が離れ、皆に話しかけに行くよう促しました。上手く話せた方も、ちょっと離れたところで控えめに見ていただけの人もいましたが、教皇様の庶民的な優しいお人柄は誰もが感じたのではないでしょうか?写真を並んで取れた人はおめでとうございました、控えめでいた方もそれはそれで神様が見ていらっしゃいましたよ。
(なんだか神父さんになった気分)
個人的な実感ですが、25年前に前々教皇のヨハネ・パウロ二世とお会いした時は、世界の期待を背負って毅然としていらっしゃりながら、大の音楽好きで、私と会って思わず歓びの笑みが満面になられた時は、ただただ素敵な方だと思ったことを思い出します。
今回のフランシスコ教皇様は、説教をされているときから、同じレベルで皆さんに語り掛けて行かれるなあ、いいなあ、と思って聞いていました。
みんなは眠かったねーー。

その夜、打ち上げは平戸の陽子と並んで、高田陽子節がさく裂していましたね。
ポルトガルの名バス歌手Nuno Dias夫妻も参加して、交流できてよかったです。
ここで、皆のことを一人ずつ思い出そうかなーーー。
誰か落ちるといけないので、パンフレットを見ながらね。

ローマ法王

金 努:
演技の集中力と声の大きさで、見事に3回の主役を演じきってくれました。人柄の良さも合いまって皆にも愛され、いつも微笑ましく思っています。更なる精進を期待しているのでこれからもより良い右近を歌い演じられるよう頑張ってください。

國元隆生と美乃里さん:
隆生さんは悔しかったと思いますが、如庵を歌い、利休を演じてくれてありがとうございました。お嬢様との本格共演は持ち越しになりましたが、それを楽しみにこれからも頑張ってください。 隆生さんのちょっと隠れた面白さは、お嬢さんに受け継がれていたようですね。美乃里さんの声も通って来ていたし、これからも楽しく歌ってください。二人とも帰国したのかな?

枝川一也:
日本のオペラ界でも当会の一番の理解者だと思っています。その甘くよく通る声で何人の人を魅了してきたことでしょう。また、その優しい人柄も女性たちのあこがれの的だったのではないでしょうか?監督の体を注意するように忠言してくださっていましたが、私からもそっと伝えておきますね。

Nuno Dias:
I feel happy to invite you again to Italy with your wife. As last time in Portugal, you sang very well and acted as real Silva the govener. If it comes true, I will invite you Japan as Sarastro in Magic Flute of Mozart. Best wishes to your sweet heart.

石多加代子:
いつもながら大変な思いをしながら、あの女召使という、目立たないけど大変な役どころを歌い演じてくれました。ジェス教会では、私が眼鏡を掛けずに振っていたためミスをカバーしきれなかったことが悔やまれますが、まあ気づいた人は少ないでしょうが。召使が生まれ変わったように真のクリスチャンになってゆくところを表現するには、90分は短いのかも知れません。これは私の演出の問題です。今回はでも楽な方だったかな?ご苦労様でした。

野崎真琴:
まあ、いろいろ十分楽しめたでしょう。幸せな人です。いろいろな人から愛され、褒められ、パンフレット製作でも、どんなにこき使われても文句ひとつ言わず働きーー。あれでいて、みんなの精神的な支柱になっていたるのかな、と見えることがあるほどです。僕の音楽を理解する力だけは大したものだと、少しだけ僕からも褒めておきます。

小川はじめ:
文句なしのお腹で、演技もこなれてきて、皆とも溶け合いよかったと思います。ご実家ではいろいろ大変なこともあったようだけど、体は大丈夫ですか?

高田陽子:
枝ちゃんのお弟子さんだから、すべて安心していました。というのは途中までで、いろいろ楽しいことがありましたね。ミラノで公演しようと思ったのは、もともと私の後輩でもある東博史ポルトガル大使がミラノの総領事であったこともあったのですが、ドウオーモまでいかなくても、ミラノは日本人も多いしいミラノのどこかの教会で公演したらいいのでは、と枝ちゃんに相談したところから始まったのです。まあ、陽子さんは4人のお子さんを育てられながら、イタリアで歌い続けてこられたのですから、それだけで大いに尊敬に値します。乞食女はイタリア語で歌ってもらいましたが、聞いていた皆はどうでしたか?
実は、天草でも公演を企画しようと頑張ってくれているので、私も17日天草市長さんに挨拶に行くのですが、来年8月末ごろ天草公演が実現したら、皆で行けるといいですね。

杉山仁美と惠子お母さん:
仁美は素直でいい子だと思ってきましたが、またお母さんの大らかなこと、実に楽しい方でした。少しおっちょこちょいでケガをされてしまい心配もしましたが、最後のジェス教会でやっと親子共演の許可を出しました、よかったですね。それまでは、ビデオの撮影隊をしていただいたのです。皆さん、出来るのを楽しみに。仁美の歌はいつも清楚な感じで気持ちいいので、体をほぐして歌えるようにという監督のアドバイスを何とかモノにするんだよ。

秦美智世:
美代子と雄路を連れ、ご苦労様でした。ルチアの時は、体がまだ弛んでるようで声が重かったけど、ジェス教会で乞食女をやった時は、まあまあ、の出来でした。英語も割に素直に伝わってきて、お客様も納得したでしょう。美代子は、最後のグロリアも歌っていたけれど、歌い演じることが大好きなんだね、これからが楽しみです。雄路のひょうきんさは、いったいどこから?という感じでしたが、舞台でも邪魔にはならず、微笑ましい絵になっていてよかったです。

山口陽子:
その素晴らしいキャラクターで、多くの人をどんどん巻き込んで魅了してゆくのは大したものです。お米さんも相変わらず面白かったね。舞台に集中する姿はアマチュアとは思えない気迫があるので、これからもその優しいお人柄でファンをかき集めてください。発声もどんどん磨いてゆきましょう。今度はジュスタに挑戦を。

吉井美幸:
ヨッシーと名付けてもう久しくなるかな?体をうまく使えないでいるときは、どうしようもないのですが、ジェス教会では秦さんとレッスンをしてあげたのが良かったのか、体を上手く使えるようになり、まあまあ、の出来でしたね。ホッとしました。
雑用は石多加代子とともに、あらゆるお手伝いをしてもらいました。嬉しかったかな?

結城孝一:
何しろ一番古い仲間なので、大切に思っています。いつもほんわかと、皆とも溶け合ってくださっています。今回は控えめに看守の役を歌ってもらいました、ありがとう。

原田恭子:
福岡を代表して。ジュスタを三回とも歌わせましたが、頑張りましたね。発声の課題も、そう感じなくてよかったです。三人の呼吸を取ろうと努力しているのも微笑ましかったです。

兵藤好美:
孫娘のビビアナを歌わせたのですが、年齢不詳の可愛さは相変わらずで、声も安定していて、演技もよくやっていました。不思議な人です。パンフレットの写真を見て、何歳だと思われるでしょうか?

廣田修:
今回は、舞台監督として先発隊に来てもらって働いてもらえなかったのが残念でした。
しかし、教皇様とも横に並べて、カトリック信者としては最高の時を過ごせたのではないでしょうか?これからも、どこまでも、まっすぐに神の道を!

岩永一也:
秀吉役で呼びましたが、初日はシルバも好演しました。軽いとからかわれていた人格も少しずつ成長してきているのを感じています。やはり、人はどこまでも成長できるからいいのですね。みんなも無限にステキな人になってゆきましょう。
イワピ―は恵まれた資質を大事にしながらも、よくなりかけてきた発声を磨いてね。まだまだこれからだよ。

大 地:
内藤好次を演じてもらいました。演技に対する真摯な姿勢は、皆も見習うべきところもあるのですが、自己主張が激し過ぎるように映るので、時にはバランスを取ることも考えては?
それより、深々と軽やかな声いい顔で、を忘れず、発声を鍛え直してください。大地の良さが本当に輝くでしょう。

越知澄玲:
よく頑張ってくれたね。スミレが時々見せる可愛い表情がいいな。歌も、みんなのを聞いていい刺激になったかな。どんどんうまくなってね。楽しみ。

坂田直子:
いつもながらご苦労様でした。優しい坂田と皆に愛され、頑張ってくれていました。ありがとう。

徳永博子:
こんな面白い人がいたのか、と10年前に会った時から思っていましたが、今も相変わらず面白いね。この次の小値賀ではお米に挑戦させようかと思っているから、覚悟を。

本田秀美:
最後まで迷っていたようだけど、来られて良かったですね。ローマ在住のピアニストのお嬢さんとも久しぶり?

岩永朋子:
一也君と新婚旅行を兼ねて来たようなものかな?久しぶりの海外公演参加のような気がするけど、イタリアはどうだった?

大島佳子:
感謝の一言です。当初のスポンサー候補との大変な交渉から、イタリアの方々とのややこしい交渉、イタリア行きの旅行会社との折衝、ヴァレーゼでは、出演をやめ字幕にまで付いてもらってしまいました。イタリア各地との連絡も、僕も使えない様な英語で(実はラインの秘密兵器を使っていたそうだけど、)とにかくありがとうございました。いい響きの声を持っているので歌もさらに頑張りましょう!関西を引っ張ってくださり有難う!

川口優子:
歌も演技も、少しずつ成長してきましたね。誰にも優しく接してくださる様子が、素敵です。歌では、体を内側から開けるような感覚になれるといいよ。

中牟田峰子:
先発隊でも、よく気が付き、いろんなことを率先してやろうとしてくださいました。スタッフとしても、こき使われることを恐れず、よろしく。歌ももっとよくなるので、更なる飛躍をしませんか?

山下康子:
B型が多い、オペラプラザ長崎の中でも、まさにB型らしい面白さを放っていますが、イタリアでもその片鱗が飛び散っていましたね。

越智大之:
得意の語学力は今回どれだけ発揮できたかな?歌も頑張ったよね。煩い長崎メンバーにイジメられませんでしたか?冗談です。見返してやれたよね。

枝川智哉:
ポルトガルから二回目なので、みんなともかなり自由に親しめて来たよね。歌も、お父さんを超えられそうですか?それはまだまだ、かな?

松島哲ルカス:
法王様がアルゼンチンの方なので、受験をそっちのけで呼びました。今回は歌も割に勉強したし、通訳としても活躍できたかな?

山口龍一郎:
家老に徹して頑張ってもらいました。大きな声を持っているので、どんどんオペラプラザ長崎の練習に参加し、磨きをかけてくださいね。

大島彩華:
大人しくしていたけど、実は雄路の面倒を気軽に見てくれて助かりました。同級生(近く)の仲間もいたので、面白がってくれたら嬉しいです。

森岡節雄:
大切な新人を書き忘れていました。オペラプラザ新宿に彗星のごとく現れたニューフェイスでしたが、そのユニークな人柄はぴかいちで、これで歌唱力や演技力が付いてきたらどうなるのかと、楽しみでなりません。ご精進を!

出演者は、パンフレットで見る限り以上です。

撮影班として来てもらった小路滋君。
彼は高校の同級生ですが、天空の町の滋賀巡演計画でもいろいろ頑張ってくださっています。
頑張って完成を急いでくれているので、皆も写真集やビデオの完成をお待ちください。

ローマ法王


さて、これから。
私はどうすればいいのでしょう?
回答は8月中にお寄せ下さい。
一番の回答者に選ばれた方には、1年間無料でレッスンをしてあげます。
冗談です。

引退をほのめかしながらも、ここまで来てしまいました。
皆の様子を見ていると、引退すると東京オペラ協会も各地のオペラプラザグループも消滅するだけだろうな、海外公演もなくなるだろうな、あのエドワードの作品も永遠の眠りにつくだろうな、それでもいいかな、なんて思うこともあります。

しかし、ここではっきり宣言しておきます。
私はこの世界を去るまで、オペラはやめません。
ただ、関わる形を変えてゆきたいのです。老人の跋扈になることを恐れるのではなく、これからの自分にもやって行けることを、ゆったりした気持ちでやってゆきたいのです。

実は8月11〜13日、オリンピックセンターでIAPGとのコラボ公演をしました。IAPGは「愛と平和」を何の躊躇いもなく高らかに唱え、歌い演じるグループです。彼らの歌や舞台を見ていて、恥じらいの塊みたいな僕は、どうしていいか分からなくなるほどなのですが、彼らのどこまでもまっすぐな純朴な姿勢に少しほだされてしまいました。
新作オペラ「マザーテレサ」を作りかけていたことを知った彼らの、「お願いです、一緒にやりましょう!」という熱い問いかけに、つい、分かった、と言ってしまったのです。どうしよう?
幸い、いつ公演するかまでは話してないので、僕の気が向いた時、でいいのでしょうが、自分の言葉の重さも分かりました。天真爛漫な私では済まないこともあるのですね。

今後の右近の公演計画は、具体的には10月21日の小値賀公演だけですが、今回の凱旋公演を、白浜氏とあるプロヂューサーの方たちと企画する予定です。東京、名古屋、大阪、長崎です。それ以外にも、先ほどの、平戸や天草の公演も計画されています。

でも皆さん、実は、今回白浜氏のご支援が大きかったとはいえ、皆さんをいつもの半額でお連れした関係上、赤字が500万程度残っています。今後の日本巡演計画もありますし、もちろん寄付金なども集め直すつもりですが、万一皆さんにも余裕があり、今回、少しでもご寄付を頂けると嬉しいとエドワードが恥ずかし気に言っております。遠慮なく?そっとお申し出くださってもいいのですよ。寄付していただいたからと言って特別待遇はしませんが。(どうぞ笑ってください。)

暑くなったり涼しくなったりしますね。皆さん、お体は大丈夫ですか?
僕は元気そのものです、多分。

また各地でお会いすると思いますが、みんなが元気でいてくれることが何よりです。
じゃあ、


2017年8月16日

 皆様のエドちゃん