|
★ 皆様のおかげで「忘れられた少年」のコレジオホール公演、いろんな意味で素晴らしいものになりました。
関わったすべての方々に感謝します。
通り一遍のお祝いなど言いたくもないのですが、当会の公演はいつも何か熱い思いをお互いの中にずっと残し続けているようで、今回もその責任の重さをかみしめています。
お知らせしたと思いますが、オペラ「忘れられた少年ー天正遣欧少年使節」は日本各地のみならず世界各地を巡り、今回で170回目の公演になります。
終演後舞台上で申し上げた通り、この公演には各地からの出演者が活躍してくれました。
イタリア、アメリカ、広島、山口、愛媛、福岡、オペラプラザ長崎を含む長崎県の各地、もちろん南島原の出演者、それも、日本最高のオペラ歌手から子供たちやアマチュアの皆さんまでユニバーサルデザインオペラらしく、それぞれに輝いてくださいました。
★★ この地、南島原は、天正遣欧少年使節の故郷といってもいいところ。何しろ何度移転しながらもセミナリオが存在したところで、少年使節たちが何年か滞在していろいろ学び巡察師ヴァリニャーノがローマに送り出したところです。帰国後もこの南島原で潜伏しながら活版印刷でイソップ物語や平家物語を出版したのも彼らでした。こんなことを南島原の皆さんは大いに誇りにしていただきたいと常々思っていました。私も10回あまり南島原での練習に参加させていただき、とても親しい気持ちになっておりますが、エドワードマジックによる発声をどんどんマスターしてきてくださる様子が嬉しくてなりませんでした。
「深々と軽やかな声いい顔で」覚えていらっしゃいますか?その時、出したくなるどんな声でも出せるようになることが目標です。
演技についても同様ですね。歌舞伎のような世界で見られるように型を通して生み出される表現も見事かも知れませんが、ユニバーサルデザインによる舞台づくりはそうはいきません。私が目指す歌や演技は、形から入るのではなく台本を精読し演出の意図を深く理解したうえでですが、自分の中から生まれ出てくるものでなくては!私のこんな抽象的なアドバイスでは吸収するのもなかなか大変だったかもしれませんが、それでも皆さんの心に刻まれたものがあるでしょうか?安易に形を教えたり教えられたりすることは指導者にとっても皆さんにとっても危険で、控えめにした方がいいのですが、つい安易な道を求めたくなってしまうのが人の常のようです。私も反省するところがあります。
舞台に慣れてくるとつい、この場合はこうしたらうまく見えるという引き出しを覚え、それに頼りたくなるものですが、便利に思える引き出しに頼るのではなく、無心になって演出が導くレールに沿って自分に与えられたその役になり切れるよう、考え抜いて努められるかが大切であることをお話ししました。
くどく申し上げましたが、人間はしょせん素人です。だから謙虚に一生学び続けて頑張るのです、というチャップリンの言葉もご紹介しました。ご一緒に頑張って自分を磨いていきましょう。
今回参加したソリストの皆さんはいつも以上に謙虚にその役になり切って歌い演じってくれました。きっとこれからもどんどん成長していってくれることでしょう。素晴らしいことです。
このオペラ「忘れられた少年」、皆さんやお客様にはどんなオペラとして心に残っているのでしょう?
私は4人の主人公たちそれぞれに私の想いを重ねて描きました。
皆さんも4人に代表される日本人のいろいろな心を感じ取っていただいていることと思います。
★★★ さて、既にご存じかと思いますが、このオペラの映画化について少しお話します。
皆さんは、このオペラの映画化にどんな期待を寄せてくださっていますか?
どんなオペラ映画になればいいと思っていらっしゃいますか?
もちろん、資金面など多くの課題がありますが、このオペラを愛してくださる方が広がればすべてがいい方向に行くと思っています。
このオペラの真意が映画化するによって、日本のみならず世界各地のより多くの人々の心に響くことを願って。
過ちを繰り返す人類の歴史と現在の世界情勢を俯瞰すると絶望的な気持ちになりかけます。
世界各地の人々が自分たちだけの卑近な利欲を追い求め振り回されていればこの先どうなるのか明白では?他国の富を奪わなくても私たちのすぐ傍に幸せは見つけられませんか?
マスコミ受けする都合よさそうな人をヒーローに作り上げ、祭り上げ、人々を熱中させておき、世界で捨て置かれた人々や人類の未来を考える余裕さえ、多くの人々が取り上げられてしまっているのが現状では?強力なリーダー(内心の不安を隠し)のふりをして強烈な言葉を吐く人に、多くの人々が翻弄されてゆく世界に私たちはどう立ち向かえばいいのでしょう?
私たちの身の回りに素敵な人がいっぱいいるのに気づきましょう!というか誰もの中に潜んでいる素敵なものにもっと目を向けませんか?そうなると、世界の人々やこれからの人類への関心も自然に生まれていくように思います。
そこには意外な発見や喜びがいっぱいあることに気づいて、新たに希望が生まれてくるでしょう!
私はこのオペラの可能性を信じ続けていいでしょうか?
このオペラの映画化が成功し、世界への平和のメッセージとして広がることが単なる妄想ではなくなりますように!
人間って、やっぱりいいですね。皆さんとご一緒にこう思いたいです。
今回参加してくださってすべての皆様に感謝!
|